漢詩について
漢詩全般
自宅の掛軸の漢詩を読みたい。意味が知りたいので口語訳は無いかなど、割と定番のレファレンスネタ。
- 佐久節『漢詩大観』全5巻(上中下+索引2巻)(井田書店、1943年)
- 宋代以前の詩集を白文で修める。
- 索引は一詩句の頭字の筆画順で探す。
- 青木正児等編『漢詩大系』全24冊(集英社、1965~1984)には書き下し、口語訳が掲載。
各巻タイトル
唐詩
概要
- 唐代(618~907)に作られた詩歌
- 現存するのは約5万首、作者約3千人弱(散逸を含めるとその数倍の作品・作者がいた?)
- 絶句・律詩などの新詩型を確立
作品集
- 全唐詩
- 康熙帝が編纂。1705~1707にかけて編纂。900巻。約49000首、2,200人。
- 遺漏があり、江戸時代の学者,市河世寧が補綴を出している(『全唐詩逸』)。
- 三体詩
- 七言絶句、七言律詩、五言律詩の三つの形式(三体)の詩を修める。南宋の周弼(しゅうひつ)編。中唐・晩唐の詩が多い。
- 唐詩選とはあまり重複していない。李白・杜甫が無い代わりに、白居易の詩などはこちらに入っている。
- 野口寧斎『三体詩評釈』(リンク先=近デジ)などもある。
- 唐詩選
- 明代に編まれた唐詩の選集。全7巻。465首を修める。
- 杜甫・李白など盛唐の詩が多いという偏りが指摘されている。中唐の白居易が入っていない。
- 荻生徂徠らが推奨し、江戸以降大流行した。
- 唐詩三百首
- 清代、乾隆年間の蘅塘(こうとう)退士が唐詩から310首を選んで編集。
- 唐詩選と違い時代の偏りがあまりない。
- 平凡社東洋文庫版、全3巻あり(目加田誠訳注)。これにより、読み下し、訳詩、解説、語釈が得られる。
調べ方・レファレンス事例
- 漢詩の口語訳、書き下し文(国立国会図書館調べ方案内)
- 漢詩の出典、口語訳、書き下し文を調べるには?(レファレンス事例紹介) (アジア情報室通報第1巻第3号)
- 『四庫全書』などで、ある漢詩がどの詩集に収録されているか調べることができ、それにより翻訳があるかどうか調べる手がかりになる(と教わる)。
- 最終更新:2013-11-29 08:55:27